「レ・ミゼラブル」名古屋公演 3回目観劇感想

2022年10月13日

「レ・ミゼラブル」名古屋公演の後半キャストを観てきました。
今日は10列の上手一番端の席でした。なので、役者さんたちの後ろ姿しか見えない場面もあり、ちょっと残念。
前半と後半でキャストが大幅に入れ替わり、同じ作品でもかなり雰囲気が変りますね。

今日は全体的に軽い印象でした。
先日観たヤン・ジュンモさんが演じた表情豊かなジャン・バルジャンの、心にストレートに突き刺さる感情表現が結構ズシンと重く響いていたし、上原理生くんが演じたアンジョルラスもどっしりと重みのある役作りでしたからね。
私が前半で観たキャストが重厚感あり過ぎる組み合わせだったから、今日の組み合わせで軽い印象を受けてしまったのかもしれませんけど(笑)

ちなみに今日のキャストはこんな感じ。

今回もメインキャストそれぞれの印象を書いてみたいと思います。
ジャン・バルジャン役の吉原光夫さん。
吉原さんは、どちらかと言うと感情が顏に出にくいというか、あまり表情が分かりやすく変わるタイプではないので、歌を丁寧に歌うことで表現する人なんですね。表情豊かなジュンモさんとは正反対の表現方法。
ジュンモさんは日本語がまだうまくない分、豊かな感情表現でカバー、吉原さんは表情で伝わりにくい分、歌の歌詞やセリフを丁寧に伝えることでカバー。どちらもそれぞれに短所と長所があるんですが、得意分野を生かして表現しているわけですね。
ジュンモさんのバルジャンはオペラグラス必須でしたが、吉原さんはオペラグラスいらないかも。
直近で役替わりを観ると、違いがはっきり分かって面白いです。
好みは別れるでしょうね。
私はジュンモさんのストレートに伝わってくる演技が分かりやすく、印象が強く残ってます。吉原さんで観るならどちらかと言うとジャベール役の方が好きかな。
吉原バルジャンはもう一度観る予定なので、その時また書こうと思います。

ジャベール役の川口竜也さん。
イメージ的には帝劇で観た時とそれほど大きく変わっていません。
歌声は絶好調でよく伸びて聴きごたえ十分。素敵な歌声でした♪
1幕では自分の信念を疑うことなく冷静で落ち着いたジャベール。2幕ではジャン・バルジャンに会うたびに信念が少しずつ崩れてきて心の揺れが透けて見える演技。自殺の場面では、苦しい葛藤から逃れたいという思いと信念を崩された怒りと恐怖が伝わってきました。
川口さんのジャベール、好きですね~(^-^)

ファンテーヌ役の二宮愛さん。
二宮さんのファンテーヌは帝劇と名古屋で10日ほど前にも観て3回目となります。
人を見る目のない世間知らずのお嬢さんが転落していくような哀れさが際立つ役作り。
原作のファンテーヌは人を見る目がないし自業自得なところも多いんですが、本人はそれに全く気付いていない。
二宮さんのファンテーヌは、そんな原作のファンテーヌに近い気がしました。

エポニーヌ役の松原凜子さん。
先日の昆ちゃんと比べるとちょっと印象が薄い気もしますが、一生懸命生きて、マリウスを心から愛していることも伝わってきて健気なエポニーヌだったと思います。3人のエポニーヌの中では一番大人っぽい印象かも。
松原さんももう一度観られるので、その時また印象が変わるかもしれませんね。

マリウス役の内藤大希さん。
なんだかとっても純粋無垢でかわいい感じのマリウスでした。
感情の振り幅が大きくて、コゼットに一目ぼれした後のはしゃぎっぷりも、エポニーヌが撃たれて息を引き取った後の落ち込み具合も半端ない。
分かりやすいといえば分かりやすいんだけど、ちょっと幼い印象。
原作のマリウスとはかなりイメージが違いますが、これはこれである意味革新的で面白いかも。
でも、コゼットは10代だけどマリウスは20代なので、やっぱりもう少し落ち着きが欲しいかな・・・

コゼット役の生田絵梨花さん。
華がありとても可愛らしいコゼットです。マリウスが一目ぼれするのも当然な感じ。
歌声もきれいで歌詞も聞き取りやすいし、間の取り方もうまいなと思いました。
今回はマリウスよりコゼットの方が落ち着きがあって大人っぽく見えた(笑)
生田さんはアイドルを辞めてもミュージカル女優としてやっていける実力は十分あると思います。知念里奈さんやソニンちゃんのように(*^-^*)

テナルディエ役のKENTAROさん。
3回目ですね。
今日は相手役が森さんですし、1回目に観た時とそれほど変わってない軽いテナルディエだった気がするのですが、今日は全体的に軽い印象だったせいか、軽さが目立たなかったような。
でも、飄々としていながら目が笑ってないところが、したたかさと不気味さを感じさせます。

マダム・テナルディエ役の森公美子さん。
2回目ですね。
かなり嫌らしい感じの悪そうなおばちゃんって感じ(笑)
それでも、どこか愛嬌があって可愛らしさも残っているのが森さんらしいですね。
マリウスとコゼットの結婚式の場面でのアドリブは、ケーキをつまみ食いして「ん~、手羽先の方がうみゃーがや!」でした(*´艸`*)

アンジョルラス役の上山竜治さん。
2年前は上原アンジョのイメージに寄せてた印象がありましたが、今回は独自のアンジョルラスを作りあげたようですね(^^)
上原アンジョのような圧倒的なカリスマ性を持って仲間たちを引っ張っていくリーダーではなく、弱い部分もあって仲間に支えられつつもリーダーとしてしっかり仲間をまとめている感じ。
なのでABCカフェやバリケードの場面では、どちらかというと皆が強い信念を持って革命を起こそうとしたというより、若い学生たちが勢いに任せて戦いにつき進んで後に引けなくなって悲劇につながった印象。
でも、原作に近いアンジョルラスだと思います。
バリケードでエポニーヌが息を引き取った後、上山アンジョは初めて死者が出たことに少し動揺したようにも見えました。このまま仲間たちを死なせていいのだろうか?という自問自答しているような。
そして、市民に見捨てられたことを仲間に告げるところでは悔しそうな表情も。この時にバリケードに残って共に死ぬことを選んだ仲間に対して責任をとろうと覚悟が決まった感じでした。

アンジョルラスとの絡みが増えて重要度が増したグランテール、丹宗立峰さんは陽気に振る舞うムードメーカー的存在になっているけど、戦う事には疑問を持っていてギリギリまで疑問を呈するけど、突き進む仲間たちに虚しさを隠せないと言った印象。
丹宗グランテールはガブローシュが撃たれてアンジョルラスからガブローシュの遺体を受け取って、しばらく放心状態に。
マリウスが撃たれた時は、駆け寄ったアンジョルラスに話しかけ最後にハグをしてバリケードの上へ送り出してました。声は聞こえないのですが、雰囲気的には「ガブの為にも一緒に戦う覚悟を決めた。共に死のう」とでも言っていて、それに答えてアンジョルラスが「分かった、ありがとう」とハグしたような感じでした。

思い出せるのはこのくらいかな・・・
今回は大千秋楽のチケットが取れなかったので、来週が今年のレミゼ回、My楽です。
今年のレミゼが終わっちゃう・・・やっぱり寂しいですね~(ノ_<。)