「ロミオ&ジュリエット」梅田芸術劇場大ホール 観劇報告

2022年10月13日

今日は「ロミオ&ジュリエット」をマチネで観てきました。
ただ、朝の列車事故の影響で電車が遅れて乗る予定だった新幹線に乗れなくて開演に間に合わず、最初の10~15分くらい観ることができませんでした。悲しい~(ノ_<。)

フレンチロックミュージカル「ロミオ&ジュリエット」は宝塚版しか観たことがなく、今回が初見です。
宝塚版とは全く別物って感じでしたね。
ロック感が一層増して、キャストたちは皆ケータイ持ってて「メール送信」「一斉配信」とかやってるし、衣装もジーンズや皮素材を使っていて現代的。舞台装置はシンプルでネオンがキラキラ。

ジュリエットは18歳になるまでケータイは持たせてもらえない設定。
ロミオとジュリエットが結婚したという噂が広まった場面も、仲間が決定的瞬間を写真に撮ってSNSにアップして広まったことになってる(笑)
ロミオはティボルトを殺してしまいベローナから追放された先でケータイをなくして、神父様やベンヴォーリオからのメールが伝わらなかった設定になってました。
う~ん、分かりやすいんだか分かりにくいんだか・・・(^_^;)
SNSとかやらない人にとってはちんぷんかんぷんでしょうね。

宝塚版では全編若者たちを主役に描かれており大人たちがあまり出てきませんでしたが、ホリプロ版はキャピュレット夫人やキャピュレット卿がソロで心境を歌い上げる場面があって物語の背景が分かりやすくなってます。
というか、ジュリエットがキャピュレット夫人の浮気相手との間にできた子でキャピュレット卿の実の娘ではないことになってて驚き!(@_@)

さて、今日の役替わりは、ロミオ役:古川雄大さん、ジュリエット役:生田絵梨花さん、ベンヴォーリオ役:馬場徹さん、マーキューシオ役:小野賢章さん、ティボルト役:広瀬友祐さん、死のダンサー:大貫勇輔さんでした。

古川くんのロミオは、とてもピュアな優等生という雰囲気。後半のマーキューシオを殺され逆上してティボルトを殺してしまったことで自責の念に駆られ、ジュリエットへの思いとの狭間で思い悩む姿が胸に迫るようです。

生田さんのジュリエットは、純粋だけど芯の強い女の子といった感じ。アイドルらしいキラキラ感もあってかわいらしいですし、歌声もきれいで思ったよりずっと良かったです。レミゼのコゼット役も楽しみになってきました(*^-^*)

ところで、ロミオがジュリエットとの結婚をロレンス神父に頼むシーンで、坂元健児さんのロレンス神父にいじられまくり(笑)
なぜか背比べが始まり、古川くんより背の低いサカケン神父が古川ロミオを柱に見立てて自分の背の高さにペンで印をつけると言い出し、ロミオの顔の横に書こうとボールペン(?)をカチッとやり「え、待って!カチッて!本当に書こうとしてるじゃないですかっ!」「いや、ちょっと印と日付をね」「印つけたらジュリエットと結婚させてくれます?」「うん」「いやいやいや、やっぱり後の場面があるからダメです!」「私の成長の記録を・・・」「だめですって!」をしばらく繰り返して最終的に「どうしても諦めないんですね・・・」と呆れ顔のロミオ。顔の横に印をつけられてしまいました。
そして神父さん「これ消すなよ。千秋楽までに私がどれだけ成長したか比べるんだから」と。ロミオ「縮んでるかもしれないじゃないですか!」とやり返し「うっ、言い返せない。否定できないもんなぁ○TZ」「あっ、すいません、申し訳ありません(ぺこり)」
その後もなかなか本編に戻ろうとしない神父さんにだんだん焦り出すロミオ。
「さっき約束したじゃないですか。僕の話を聞いてくださいっ!」「何の話だったかな?」「恋愛です!」「誰の?私のか?そうだなぁ・・・」「あなたの恋愛事情なんかどぉ~でもいいんです!僕の恋愛の話を」神父さん、悲しそうな顔。「あ、すいません、すいません(ぺこり)」「それで?」「だから僕とジュリエットの結婚を・・・」でやっと本編へ(笑)
覚えてる範囲で細かい部分は違ってたかもしれませんが、こんな感じのやり取りでした。
ロミオを楽しそうにいじるサカケン神父と最後は素で焦ってる古川ロミオ面白かったです♪

馬場くんのベンヴォーリオは明るく友達思いのすごくイイ奴という印象。前半は軽~い感じですが、後半ロミオが追放された後、ジュリエットが自殺したらしいという知らせを受け、ロミオにどう伝えるか悩み歌う曲で、本当にロミオのことを理解し心から親友としてロミオを愛しているんだなというのが伝わってきて、涙が出ちゃいました。

小野くんのマーキューシオは、表面上はクレイジーな不良を装っているけど、心には大きな悲しみや恐れを抱えていそうな雰囲気。振り切った演技がいいですねぇ。

広瀬くんのティボルトは、世の中への不信感、恐れ、悲しみ、怒り、いろんなものを抱え込んで今にも爆発しそうな危うさを感じさせます。
親の愛情をあまり受けられずに育った思春期の子どもがこんな感じなんですよ。
だから、すごいなと思って見てました。緊張感のある演技の中でチラッと見せる優しさとのギャップもいいですね。

死のダンサー役の大貫くんのダンスにすごく引きつけられてしまいました。影のように動き回るんですけど、不気味さとかっこよさとがあって不思議な感じ。

若者チームは全体的にずっと根底には思春期の子たちらしい苛立ちと不安を含んだ空気を漂わせている感じがしました。

脇を固める大人チームは、ベテラン実力派の方ばかり。
キャピュレット夫人役の香寿たつきさん、キャピュレット卿役の岡幸二郎さん、乳母役のシルビア・グラブさん、ロレンス神父役の坂元健児さん、モンタギュー卿の阿部裕さん、モンタギュー夫人役の秋園美緒さん、ヴェローナ大公の岸祐二さん、パリス役の川久保拓司さん。
場面場面をしっかりと引き締めて、時には盛り上げて、大人たちの愚かさもしっかり出して、作品に重みを与えていたように思います。

ケータイやらSNSにはびっくりしましたけど、それに合わせて減退的な作りになっていて、そんなに違和感を感じませんでした。ツッコミどころは満載ですけどね(笑)
この作品は、音楽がすごく耳に残るんですよ。ノリがいいんで好きですね。

そうそう、乃木坂46の生田さんがジュリエット役なので、客席にはアイドルファンと思われる男性も多く、いつもと客層がちょっと違っていてそれも面白かったです。