『ロミオ&ジュリエット』刈谷公演千秋楽 観劇感想

2022年10月11日

今日はミュージカル『ロミオ&ジュリエット』を観に刈谷市総合センターアイリスに行ってきました。

ここの大ホールは初めてだったのですが、1階席も1列ずつ階段状に設計されているので前の人の頭が邪魔になることもなくとても観やすいし、音の響きも良かったです。

名古屋まで出るより刈谷のほうが家から近いので、仕事終わってからでも行きやすい♪

この作品の宝塚版は好きだったので2年前に初めて東宝版も観たんですが、スマホやらメールやら出てくる演出にちょっとげんなりしてしまったんですよね。

今年上演すると発表があった時に観るか迷ったんですけど、大ファンの春野寿美礼さんのお名前を見つけて観ることにしました。

それで今日観たわけですが、ノリのいい楽曲や「エメ」の美しいメロディーはやっぱり好きだなぁというのと、今回はスマホやらメールやらの設定もこれはこれでありかな、と思えました。2年前とまた少し演出が変わっていたせいもあるかもしれません。

でも、この演出が「これはこれでありかな」=「好き」ではないです(^_^;)

今日の役替わりはロミオ:大野拓朗さん、ジュリエット:葵わかなさん、ベンヴォーリオ:木村達成さん、マーキューシオ:平間壮一さん、ティボルト:渡辺大輔さん。

それではまたメインキャストの皆さんの感想を書いていこうと思います。

ロミオ役の大野拓朗さん。

2年前は見られなかったので大野くんのロミオ楽しみにしてました。

1幕でジュリエットと出会った後、ジュリエットに会いに行った時のロミオがワンコみたいでかわいかった(笑)

お目目キラキラのとってもピュアなロミオが、マーキューシオを殺されティボルトを刺してしまって以降の変わりっぷりがなんだかとても哀れ。捨てられてボロボロになった子犬みたい。

安定感のある演技、歌もすごく良かったですよ(^^)

宝塚月組版で観た明日海りおさんのロミオと雰囲気がちょっと似てた気がします。

ジュリエット役の葵わかなさん。

ミュージカル初出演とは思えないほど堂々とした演技で「ミュージカルに出るの初めてですっ」っていうような初々しさは感じられません。プロ意識が高いんでしょうね( ⁎ᵕᴗᵕ⁎ )

小柄な体形も手伝ってとってもかわいらしいジュリエットです。

歌声もきれいで聴きやすく、大野くんとのデュエットもきれいにハモって耳に心地よく響きました。

ベンヴォーリオ役の木村達成さん。

仲間思いで優しい、どちらかというとかわいい系のベンヴォーリオ。

なので、最後マーキューシオもロミオも亡くしてしまったベンヴォーリオはこの先大丈夫かしらと思ってしまうほど。

10代の男の子ってこんな感じよねというのがよく表現されていたと思います。

マーキューシオ役の平間壮一さん。

普段はやんちゃな10代の男の子でありながらその中に狂気をはらんだ役作り。

ロミオやベンヴォーリオとわちゃわちゃしている時のマーキューシオはかわいいんだけど、争いが起きると狂気を感じさせる表情に変わるんですよね。うまいなぁと思ってみてました。

ティボルト役の渡辺大輔さん。

本当は優しい子なのに10代で世の中の理不尽さを知り、不安と恐怖と悲しみを抱え込んでどうしていいか分からない苛立ちから粗暴な態度をとっているという印象のティボルト。

マーキューシオを刺してしまった後にナイフを持つ手が震えていたり、自分に向かってきたロミオを前にした時もナイフを震わせてるんですよね。人を殺してしまったという衝撃や本当の俺はこんなことしたくないだという気持ちが伝わってきます。

ジュリエットの「優しくしてくれたティボルトが」というセリフにも違和感がない役作りでしたね。

死のダンサーの大貫勇輔さん。

青白い炎のような「死」でした。ロミオとジュリエットに忍び寄って翻弄していく感じが怖いですね。

争いが続く限り「死」は喜んで人々を不幸に陥れ死へといざない続けるのだろう。

最後にロミオとジュリエットの死をきっかけにモンタギュー家とキャピュレット家が争いをやめると決めた時、死は弱って消えていきます。

言葉がなくとも十分に伝わってくる表現力豊かでキレのあるダンスがかっこよくて見惚れてしまいました♡

キャピュレット夫人役の春野寿美礼さん。

妻や母親よりも女の部分が前面に出ていてジュリエットに対してもどこかライバル視しているようなキャピュレット夫人でした。
所作が美しく優雅で色気と格好良さの両方が同居している感じ。
包み込まれるようなベルベットヴォイスも健在。さらに艶っぽさも加わり、何とも言えず聞き惚れてしまいます(⁎˃ᴗ˂⁎)
関係ないですが1ファンとしては、オサさんがミュージカルに復帰されたことが本当にうれしいです!
ジュリエットの乳母役のシルビア・グラブさん。
ジュリエットを優しく大きく包み込む肝っ玉母さんみたいなばあやでした。
ばあやが自分が育てた子が成長して巣立っていくことへの心境を歌う場面で涙が・・・
2年前はこの場面で泣くことはなかったんですけどねぇ。私には子供もいないのに、どういうことでしょ?(笑)
シルビアさんが歌に込めた気持ちがダイレクトに伝わってきたからかな。
ロレンス神父役の岸祐二さん。
真面目でいかにも人の良さそうな神父様。
モンタギュー家とキャピュレット家の争いに心を痛めつつ、街の若者たちを温かく見守っている感じ。
でもおっちょこちょいなところもありそうで、人間らしいどこかキュートな神父様です。
キャピュレット卿役の岡幸二郎さん。
本当は妻も自分の子ではないとわかっているジュリエットのことも愛しているのに、うまく伝えられない不器用な男という感じのキャピュレット卿。苦悩する姿がなんだかとてもセクシーですてき♡
パリス伯爵役の姜暢雄さん。
私が今まで見てきたパリスはちょっと抜けてる世間知らずのお坊ちゃんな感じだったのですが、姜さんのパリスは嫌味たらしい金持ちのボンボン。見た目の雰囲気は、ちびまる子ちゃんにでてくる花輪くん(笑)なかなか新鮮で良かったです♪
私はこちらのパリスのほうがいいですね。
カーテンコールの時も長めの前髪(?)を小さい鏡獅子みたいに振り上げてました(笑)
ヴェローナ大公役の石井一孝さん。
争いごとが絶えないヴェローナの街を治めることの難しさに苦悩する大公。
根はとてもいい人なんだろうなぁと思わせる雰囲気があります。なので周りを圧倒するような威厳はあまりありません。
ヴェローナを治める大公とて一人の人間に過ぎないことがよく伝わってくる役作りですね。
モンタギュー卿役の宮川浩さん。
キャピュレット卿と比べると見せ場は少ないですが、家族を愛し、家を護る大黒柱としての威厳を感じさせるモンタギュー卿。
モンタギュー卿もまた様々なことで苦悩していることが細かい演技で伝わってきますし、過去何代にもわたって続いてきた両家の争いに嫌気がさしているようにも見えました。
モンタギュー夫人の秋園美緒さん。
優しくてちょっと過保護で心配性なロミオのお母さん。
キャピュレット家とは対照的に家族を心から愛しているのが伝わってきます。
モンタギュー夫人とキャピュレット夫人が両家の争いの愚かさと悲しみを歌うデュエットは歌うまさん同士で聴きごたえ十分です。
R&Jダンサーズ(アンサンブル)の皆さんの群舞がすごくかっこいいです(^^)
モンタギュー派とキャピュレット派それぞれの若者ギャングたちを演じているのですが、けんかっ早い若者たちの雰囲気がよく出ていていいですね。
カーテンコールは3回だったかな。
大野くんが代表で挨拶。「刈谷の皆さんはとても温かくて、その温かい声援をエネルギーに変えてより良い作品に仕上げていくことができたと思います。梅田でもさらに進化を続けていきたいと思いますので、梅田にも足をお運びください」というような内容でした。
あと1回梅田で観る予定なので役替わりで観るのが楽しみです♪
今回は三浦くんのベンヴォーリオと廣瀬くんのティボルトが観られないのが残念・・・