ミュージカル好きな心理カウンセラーが書く観劇感想とその他もろもろ
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「ジキル&ハイド」名古屋公演 観劇感想
「ジキル&ハイド」初めて観ました。
楽曲がすべて素晴らしいですね。
キャストの方々の歌声も迫力があって聞きごたえ十分!
その反面、ストーリーや演出面ではツッコミどころ満載で、そちらの意味でも面白かったです。悲劇なんですけどね(^^;
ミュージカルでもお芝居でもツッコミどころは付き物だと思ってますけど、ツッコミどころが目につく作品と気にならない作品があって「ジキル&ハイド」は前者かも。
それでも、独特の雰囲気があっていろいろ考えさせられる作品だと思います。

誰の心にも潜む光と影、表と裏。ジキルが自分を実験台にして影の部分を消すはずの薬を飲んだことで、ジキル(表)とハイド(裏)に分裂してしまう。
人は光の部分と影の部分の両方を受け入れバランスを取ることで正常でいられるのに、ジキルが心の影を消すことで平和になると考え、光と影を薬によって切り離した結果、心の均衡が崩れて制御がきかなくなり起きた悲劇だと思いました。

さて、今回もメインキャストを中心にお一人ずつ感想を書いていきましょう。






ジキルとハイドを演じ分ける石丸幹二さん。
礼儀正しく優しい紳士のジキルと後先考えず欲望のままに行動するハイド。
薬によって分裂した二つの人格の違いをはっきり鮮明に演じ分けていて、分かりやすく見事でした。
さすがですね〜(*^-^*)
歌も絶好調のようで、よく響く歌声が心地よかったり、時に迫力満点だったり素晴らしかったです。

ジキルの弁護士で友人のジョン・アターソンを演じる石川禅さん。
どの作品でも必ずどこかでコミカルな演技を見せてくれる禅さんですが、今回も悲劇が始まる前の前半部分でちょこちょことコミカルにやってらっしゃいましたね(*´艸`*)
ジョンとしては、ジキルのことを友人として常に気にかけていて、大きく包み込むような包容力を感じました。

娼婦ルーシーを演じる濱田めぐみさん。
安定の歌唱力。娼婦として生きることの悲しさ、やるせなさがすごく伝わってきます。
そして、ジキルに恋したルーシーのかわいらしいこと!
そのルーシーに迫るハイドの不気味な影・・・この対比で最後の悲劇がより一層引き立って、ルーシーの哀れさが色濃く表現されていたと思います。。

ハイドの婚約者エマを演じる笹本玲奈さん。
こちらも安定した美しい歌声で聴き手を魅了してくれます。
ハイドのことを心から愛し、誰が何と言おうと何があろうと彼を信じ抜くとても芯の強い女性。
可憐さの中にもすごく力強さを感じるエマでした(^^)

ジキルの執事を演じる花王おさむさん。
なんだか飄々としていて、信用できるのかできないのか分からない不思議な雰囲気の執事さん(笑)
時々コミカルな演技をされていて面白かったです
出番は少ないながら、なかなかインパクトがありました。

エマの父親ダンヴァース・カルー卿を演じる今井清隆さん。
ジキルの才能を高くかっていて、ジキルと娘との結婚も楽しみにしているんだけど寂しいとか、結婚を目前にしてジキルに妙な噂が立ち、娘を心配する父親の複雑な心境を巧みに表現されてました。

ジキルをバカにして、ジキルに人体実験の許可を出さない評議会の5人組がそれぞれ人間の裏の顔を誇張した役作りで強烈な個性を出しています。
5人ともハイドに殺されてしまうわけですが、嫌な奴ぶりが誇張されている分、観ていて気分的にスカッとする人もいるんじゃないかな(^m^)
だって、殺人シーンはB級映画みたいなんだもん(笑)
この嘘っぽさがあるからこそ安心して楽しめるんですけどね(^_-)

ジキルの恋敵(?)ストライドを演じる畠中洋さん。
エマに思いを寄せるストライドは、エマと婚約したジキルが気に食わないから、ジキルの仕事の面でも邪魔をしようとする。例えるなら、童話に出てくるようなズル賢くて意地悪なキツネのイメージ(笑)

娼婦館に入り浸る大司教を演じる宮川浩さん。
いかにもいやらしいエロジジィっぷりが素晴らしい!(褒めてます・笑)
そして、言ってることとやってることが一致しない、いい加減な政治家のイメージそのまま。
実際、当時の大司教は政治にも口出ししていたようですしね。
ハイドは一番最初に大司教を殺すのですが、他のいたぶりシーンと比べて一番派手で時間的にも長いのは何か意味があるのかしら?

サベージ伯爵を演じる林アキラさん。
いかにも権力者に媚を売ってのし上がってきた感がいいですね。こちらもずる賢いけど、ストライドよりも小者感が漂ってます(笑)

グロソップ将軍を演じる阿部裕さん。
いかにも軍人にありがちなイメージで威張りくさって、人を見下すタイプの役作り。
「俺は偉いんだぜ!」と地位や武勇伝をひけらかすような人、軍人じゃなくてもいますよね。

ブルーブス卿を演じる松之木天辺さん。
エリートにありがちな気取り屋で人を見下す嫌味なタイプの役作り。
インテリで「自分以外はみんなバカだ」と周囲を見下している人、いそうですよねぇ。

ビーコンズフィールド侯爵夫人を演じる塩田朋子さん。
自分の地位や体面を保つためなら慈善事業も利用する計算高い女の役作り。
自分より上の人間にはすり寄り、下の人間は見下すタイプ。これもいそうですねぇ。

5人それぞれ違うありがちな嫌なタイプを演じていて、それをハイドがいたぶるのですから、やっぱりスカッとしますよね(笑)

この作品は私にはレミゼのような嵌る感はなかったけど、音楽は素敵ですし、キャスト陣も素晴らしく興味深い作品だと思います。
再演があればまた観に行こうと思います(*^-^*)
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