『レ・ミゼラブル』梅田芸術劇場大ホール 観劇感想

2022年10月11日

今日はレミゼを観に大阪へ行ってきました。
今年のレミゼMy楽です。すでにレミロスです・・・
席は1階8列(オケピがあるから実質4列目)下手側の一番端でした。
御園座でも実質4列目から観たんですけど、やっぱり距離感が全然違いますね。御園座はホント舞台と客席が近いんだなぁ。

シュガーくんや上原くん、濱めぐさんなど今日が梅芸初日だったキャストも多かったみたいです。

そしてレミゼはあちこちでいろんな人がいろんな細かい芝居をしていて一度では全部見切れないから、観るたびに新しい発見があるわけですが、今日の発見はテナルディエたちの窃盗団がバルジャンを襲い、ジャベールに捕まった場面のモンパルナス。

モンパルナスもいったんは捕まるものの隙をみて逃げ出してるのですが、今までその後までは見てなかったんですね。

今日、ふとメインの芝居とは関係ない下手側の壁に小さなスポットライトが当たっているのに気づいて、その壁を見たらモンパルナが上の窓から(?)壁をつたって降りてきているのを発見。スパイダーマンかと思った(笑)

モンパルナスはそんなところで地味にすごいことしてたのね!スポットライトが当たってるとはいえ、薄暗くて足元も見にくい中で結構怖そう。

いやぁ、2013年からレミゼを観続けてきたけど、私はこれ今回初めて知りました。

原作の中でモンパルナスは、どんな所からでも抜け出せる脱出名人として描かれてますからね。

さて、ではまたメインキャスト一人一人の感想を書いていこうと思います。

ジャン・バルジャン役の佐藤隆紀さん。

シュガーバルジャンは帝劇で初日近くに観て以来2回目です。

変わらず全体を通して優しいバルジャンですね。
冒頭の人々から蔑まれ心が荒んでしまった場面でも、本来のバルジャンの真面目で優しい部分は消えていないような雰囲気があります。なので、シュガーくんのバルジャンは司教様に出会って変わったというより、ひどい扱いを受けて心が荒んでしまったけど司教様に出会ったことで本来の自分を取り戻したという印象。
真面目で優しい部分(柔らかい部分)が残ってたからこそ、司教様の言葉を受け入れることができたんじゃないかととも思いました。
帝劇で観た時は、一部歌い方を変えていたりロングトーンが途切れ気味だったりと、ちょっと調子が良くないのかなと心配でしたが、今日は絶好調で『彼を帰して』は優しく慈愛に満ちた歌声、ロングトーンもきれいに長く続いていました。

もう本当にず~っと聴いていたかったです!

対するジャベール役の上原理生さん。

帝劇、御園座で1回ずつ観て、今日が3回目。

人を信じない、法律を侵す者は絶対許さないという信念でガチガチに固めた重い鎧を着こんでいるような上原ジャベ。

上原くんのジャベールを観ていない人がこの文章だけ読んだら、冷たい鉄仮面のようなジャベールを想像されちゃいそうですが、全く違うんですよ。上原くんは表情豊かにジャベールという男の心を丸裸にして表現しています。

矛盾しているようですが、上原くんはジャベールの何重にも鎧を着込んでガチガチにガードを固めて表に出さないようにしている心の中を顔の表情と豊かな歌唱力をもって表現しているのです。こういう表現ができるのは彼ならではかなと。

法を侵す者を捕まえようとする時の目を見開き威圧するような表情は、秩序を乱す者に対する恐れを隠し必死に威嚇しているようにも見えるので、ジャベールの信念が崩れ始めた時のうろたえ様が一層哀れに感じられます。

素の上原くんはシャイだけど愛嬌もあり年上の私から見るとかわいいなぁと思うので、役とのギャップがすごいですね(笑)

柔らかい雰囲気を持つシュガーバルジャンと鋼のように固い信念を持つ上原ジャベの組み合わせは対照的で面白いですし、歌声の相性も良くて対決の場面でさえ耳に心地よく響きます。最後にもう一度この組み合わせで観られて良かったです♪

ファンテーヌ役の濱田めぐみさん。

帝劇で1回、御園座で2回観て、今日で4回目。

帝劇で観た時は経験値高そうなお姉さんファンテーヌでしたが、回数を重ねるごとに原作の二十歳前後のファンテーヌに近づいてきたように思います。

強さと儚さを併せ持つファンテーヌで、若さゆえの浅はかさも透けて見える演技、コゼットへの強い思いを残したまま亡くなっていくファンテーヌに人間臭さを感じます。

死が近づいているバルジャンを迎えに来るファンテーヌはひたすら美しく、バルジャンを温かく包み込むような歌声でバルジャンへの感謝が伝わってきますね( ⁎ᵕᴗᵕ⁎ )

エポニーヌ役の唯月ふうかさん。

今年お初のふうかエポニーヌ。

とにかくけなげでかわいらしく護ってあげたくなるようなエポニーヌです。

劣悪な環境の中一人で必死に生き抜いてきた強さがありながら、それほど擦れた感じはなく純粋さすら感じさせます。

歌も何年か前から比べると格段にうまくなっていますね(^^)

マリウス役の内藤大希さん。

こちらも今年お初の内藤マリウス。

4回続けて海宝くんで観て海宝マリウスに慣れてしまい、どうしても海宝くんと比べてしまうのですが・・・

海宝マリウスほどのキラキラ感はないものの華があり、純粋で明るく優しさあふれるマリウスです。

その優しさが人を傷つけるという・・・それがエポニーヌの孤独感をより一層引き立てているように感じました。

コゼット大好きな感じもしっかり伝わってきます。

ただ、仲間と一緒にいる時のマリウスの苦悩の部分が少し弱くて伝わって来にくかったかなという印象はあります。

コゼット役の小南満佑子さん。

帝劇、御園座で1回ずつ観て今日で3回目。

かわいらしいだけでなく、聡明さも感じさせる小南コゼット。バルジャンへの愛、マリウスへの愛も丁寧に描き出しています。

最後のバルジャンが召される場面で小南コゼットは、冷たくなってくるバルジャンの手を温めようと一所懸命にバルジャンの手に息を吹きかけてさすってるんですよ。少しでも長く生きてほしいという気持ちが伝わってきて泣けます。

テナルディエ役の斎藤司さん。

お初の斎藤さんテナルディエ。とても楽しみにしてました。

歌はうまいし、軽妙でしたたかな感じがいいですね。

人前では軽口をたたきヘラヘラ笑っていながら、その裏では悪行三昧という不気味な怖さがあります。

他の方のテナルディエと比べるともう少し押し出しが強くてもいいのかなという気はしましたが、斎藤テナルディエかなり好きなので次回もぜひ出ていただきたいです!

森さんのマダム・テナルディエとの掛け合いも楽しいです。若干、森さんに圧されてる感はありましたけど(笑)

フィナーレでは『斎藤さんだぞ』のポーズしてくれました♪

マダム・テナルディエ役の森公美子さん。

帝劇、御園座で1回ずつ観て今日で3回目。

いろんな意味で存在感がすごいです。

歌はもちろん素晴らしいですし、ベテランの貫禄もあり、アドリブも多いし、人を脅すときの迫力もすごいし、それでいて愛嬌もあってかわいいという怖いものなしですね(笑)

役替わりでそれぞれ個性の違う旦那との掛け合いにも工夫と相手役への心遣いが感じられます。

アンジョルラス役の上山竜治さん。

上山アンジョは今年お初です。

歌が若干弱い気はしますが、全体的に落ち着きのある熱いリーダーで頼りがいがありそう。

2年前に観た時も思ったんですが、役作り的に以前上原くんがやっていたアンジョルラスに似てますね。

今年のアンジョルラスは、ガブローシュが撃たれて落ち込んだ後、怒りに任せて立ち向かっていくような感じが以前より強くなっている感じがします。これはキャスト3人共通してました。

このことで人の心の脆さや戦いでは何も解決しないという作り手のメッセージが色濃く出たように思います。

レミゼ5回の観劇で今年は終わっちゃいました。4回目観劇終わった時点ですでにレミロスです・・・

さて、5回目の今日でプリンシパルキャストのうちエポニーヌ、テナルディエ、アンジョルラスのキャストをコンプしました。

今年残念ながら観られなかったのは、二宮愛さんのファンテーヌと三浦宏規くんのマリウスです。

本当は全キャストを観たいんですけど、役替わりキャストが多いと予定が合わなかったりチケットが取れなかったりで、どうしても見られないキャストが出てくるんです。

でもまあ、チケット難の中5回観られただけでも有難いことですよね。

帝劇や全国ツアー含め長い公演期間中観るたびにキャストの皆さんどんどん進化していて、観る側としてもその変化を感じられることが楽しいですし、他の作品以上に舞台からパワーをもらって「明日からまた頑張ろう」って思えるし、レミゼは私の中でも特別な作品です。これからもずっとこの作品続けていってほしいですね。