雪組『星逢一夜/Greatest Hits!』 中日劇場公演 観劇報告

2022年10月13日

今日は久しぶりに宝塚を観てきました。
最近は宝塚も名古屋公演がある時しか観に行っていないからなぁ

この作品は生で観るのは初めてですが、テレビで放送されたものを観たことがあります。

お芝居は、江戸時代を舞台とした身分違いの悲恋を描いた「星逢一夜」。
九州の小さな大名家の息子と農民の娘が恋に落ちるものの結ばれない悲恋だけではなく、主人公の天野晴興が江戸幕府の政策と農民の友だちとの間で苦しむ姿もしっかり描かれたバランスのいい作品だと思います。
誰も幸せになれず、絶対的な悪役もいないから、余計切なくなる作品ですね・・・

早霧せいなさん演じる三日月藩の次男坊で気ままに暮らしてきた純粋で真っ直ぐな少年・紀之介が、兄の死で藩を継ぐことになり、元服して晴興と名を改め江戸城へ行ったことから晴興の苦悩が始まる。
子ども時代の無邪気な笑顔と後半の幕府に仕えるようになってからの苦悩の表情の差にグッ来ます。
子どもの頃よく一緒に遊んだ農民の子たちと後にぶつかり合い、最終的に友を殺さねばならなくなる悲しみ。初恋の相手で農民の娘・泉(せん)への思いが伝わってきて、何度見ても切なくて泣けます・・・

咲妃みゆさん演じる農民の娘・泉は親を亡くし、1人で兄弟の世話をするしっかり者。
父親が一揆を起こした罪で先代の藩主に殺され、その息子である紀之介と出会い、最初は父親の仇の息子と知って紀之介を拒絶するものの、紀之介の人柄に泉も他の農民の子たちも心を開いて一緒に遊ぶようになり、泉は紀之介に惹かれていく。その心の動きも良く表現されていて、うまいなと思いました。
しっかり者で男前な部分と弱い部分の両方をしっかり見せてくれます。

望海風斗さん演じる泉の幼馴染の源太。
メチャかっこいい役どころですよ。
泉が紀之助のことを好きなことを知っているのを承知で嫁にもらうことになり、江戸で出世し将軍家の姫との縁談が決まって報告のために国に帰ってきた晴興に無理を承知で「泉に幸せになって欲しいから、泉を嫁にもらってやってくれ!」と土下座したり、のちに飢えに苦しむ仲間と一揆を起こし、親友である晴興と対峙する時も自分一人の死で仲間の命が救えるならと最後まで戦い抜いたり。江戸時代、一揆を起こした者は全員打ち首だったそうですから。
晴興と源太の一騎打ちの場面は、二人の苦悩がと覚悟が伝わってきて涙が止まらなくなります。

もう若手や下級生の生徒さんたちの名前はぜんぜん分かりません(^_^;)
なので省かせていただきます・・・
でも、皆さんそれぞれの役をしっかり生きていて、お芝居がうまいなと思います。

この作品は登場人物それぞれの立場から見ることで違う物が見えてきて面白い作品ですね。
ミュージカルファンの仲間の間でも評判のいい作品ですよ(*^-^*)

ショー「Greatest Hits!」は、いろんなジャンルからそれぞれのGreatest Hitsを集めた作品。
なんか子どもがおもちゃ箱を開けた時のようなワクワク感のありますね。
ゴーストバスターズの曲の場面が、節分バージョンになってました。
名古屋城の金鯱ならぬ、カラフルなネオン付きの銀鯱を担いで男役さんが客席から登場し、舞台上には頭が獅子ではなく鬼の面になった獅子舞ならぬ鬼舞が登場。「鬼は~外!」と銀鯱を撃って(大きなクラッカーになってたのね)鬼退治してました。鬼をゴーストに見立てたんでしょうか?(笑)
途中から「あれ、Greatest Hitsはどこへいっちゃったの?」と思ってしまいましたが、すごいキラキラなショーで楽しかったです♪

宝塚以外の舞台を観慣れてしまうと、宝塚のショーがめちゃくちゃハデハデのギラギラで久しぶりに見たら「眩しい!」って思っちゃいました(笑)
観る回数は減ってるけど、初めて生で観た舞台が宝塚だし、その後も10年くらい宝塚しか観てなかったから、なんとなく最終的に帰る場所的な感覚はありますね。観ると元気になれますからね♪