『シスター・アクト~天使にラブソングを~』大千秋楽

2022年10月18日

今日は大学の単位認定試験が昨日で全部終わり、開放感いっぱいな気分で「シスター・アクト」を観てきました。
このミュージカル作品には、映画「天使にラブソングを」でデロリス役を演じたウーピー・ゴールドバーグさんが制作に関わっているらしいです。今回はその日本版の初演。
ウーピー・ゴールドバークさんは大好きな女優さんなので、これを知っただけでも絶対観たい!って思いつつ、なかなか都合がつかず、最終的に観られたのは今日の大千秋楽の1回だけ。
デロリス役が瀬奈じゅんさんと森公美子さんということでどちらも観たかったのですが、都合がついたのは1回だけなので仕方がないですね。

デロリスとシスターの皆さんのゴスペルはすごくパワフルで、まるでライブコンサートみたいに会場が一体になって盛り上がっていて、すんごく楽しかったです♪
指揮者の塩田明弘さんまでがときどきオケボックスからひょっこり頭を出して、私の席からはあまり見えなかったけど、そのうちの1回は派手な神父の格好をしてたような。ノリノリで半分踊りながら(?)タクトを振ってらっしゃいました。
指揮者があそこまでノリノリでパフォーマンスまでして見せる作品は初めてかも(笑)

今日の役替わりは、デロリス役が瀬奈じゅんさん、カーティス役は大澄賢也さんでした。

アサコさん(瀬奈さん)のデロリスは、活きのいいお魚みたい。釣り上げられてもぴょんぴょん跳ねて自分で海に戻っちゃうような。とてもチャーミングでパワフル。
デロリスは一人で生きて行けるタイプではないけど、カーティスが「デロリスは俺がいないと何もできない」と言うほど弱くはない。スターを夢見ているけど、何か一歩足りない。そんな微妙な感じがよく出ていたように思います。

私がコミュニケーション講座でやっている6つの性格タイプの中で言えば、デロリスは見事な反応型。
反応型は自由と楽しいことが大好きで、決めつけられたり抑え込まれたりするのが大嫌いだから、規律正しい修道院の中ではすごくストレスを感じて反発しまくるんですよね(笑)

反応型のデロリスとは正反対の修道院長は、自分の信念を貫く信念型。こだわりが強く一度思い込んだら考えを変えることはなかなかできない頑固者。信念型さんは「伝統のあるもの」とか「権威あるもの」が好きです。
なので、自由奔放なデロリスのことが全く理解できません。
そんな修道院長を演じる鳳蘭さん。デロリスに出会ったことで自分の信念を揺るがされ苦悩する修道院長をユーモラスに演じてらっしゃいます。
鳳さんが演じると全く嫌味な感じがないし、頑固な修道院長がチャーミングに見えちゃうのが不思議(*´艸`*)

人って自分の核になる部分(価値観や信念)を揺るがすような体験をすると、初めは混乱して拒否反応を起こすんですよね。それでも何とか理解し合おうとする。それが作品の中でデロリスと修道院長との関係の中でうまく表現されてるなぁって思いました。 

修道院長をうま~くなだめるオハラ神父は、効率重視の計画を立てたり、様々な情報を収集したりすることが得意な思考型と楽しいことが大好きな反応型の両方の特徴を持ち合わせたタイプですね。
オハラ神父にとってデロリスが作り上げた斬新な聖歌隊は、自分も楽しめる上に信徒が増えて効率よく寄付が得られて一石三鳥。彼の思考型の部分も、反応型の部分も満足できたので、デロリスのやり方に賛成するのです(笑)
そんなオハラ神父を演じる村井國男さん。神父なのに飄々とした雰囲気がステキです。
そして歌もダンスもあります。総スパンの重そうな衣裳を着ているのに、身のこなしが軽やか!すごいなぁ・・・

デロリスを愛人にしていたギャングのボスのカーティス。
カーティスは、信念型の部分がありつつも、どちらかというと考えるより先に行動してしまう行動型かな。行動型さんはいつでも自分が一番でいたい、そして刺激的な事が大好き。毎日同じことの繰り返しなんて耐えられない。
楽しいことを見つけるのが得意な反応型さんとは比較的相性がいい。
そのカーティス役の大澄さんは今回も悪役を楽しそうに演じてらっしゃいますね。平気で人も殺してしまう悪いヤツなんだけど、なんか憎めないんですよね。
そして、ダンスはやっぱりかっこいいです。
そういえば、大澄さんがミュージカルで歌を歌うのは初めてかしら?初めて歌声を聴きましたが、なかなかいいお声でしたよ(^^)

デロリスの高校自体の同級生でデロリスに思いを寄せる警察官のエディ。
エディは信念型と反応型の特徴を持ち合わせているタイプかな。エルビスのようなスターなりたいと思っていながら、それができずに規則違反を取り締まる警察官になっているのは信念型の部分と反応型の部分で葛藤が起こっているからじゃないか、な~んて想像してました。
そのエディを演じる石井一孝さん、一生懸命デロリスを護ろうとする姿がいじらしいです。
役柄的には気弱でギャングたちにもバカにされるエディですが、デロリスへの気持ちを歌う時はとてもパワフルに歌い上げます。エディはかっこいいヒーローとは言えないけど、デロリスへの気持ちは誰にも負けないというのが伝わってきます。

カーティスの甥っ子TJ(藤岡正明くん)と手下のジョーイ(KENTAROさん)とパブロ(上口耕平くん)。
TJは、ちょっとおバカなところとかメッチャかわいい。母性本能をくすぐられるわ(笑)
ジョーイは、しっかりしてるように見えて、いろいろと抜けてる。よく分からないけど、なんだか佇まいがなんかかっこいい。このトリオの中では年長で、まとめ役ような感じかな。
パブロは、何語かよく分からない言葉をペラペラペラ~っとしゃべって、時々日本語が入る。どっかの国(多分ラテン系)からアメリカへ来て、まだ英語がよく分かってないような設定?軽~い雰囲気がなんとも言えずいい感じ。
上口くんは、何気ない動きやしぐさが流れるようにきれいに決まるので、つい目が行っちゃいます。
歌もダンスもうまいこの三人。歌はきれいにはもって聞いていて気持ちがいいし、キレのあるダンスもかっこいいです♪

シスター見習いのシスター・メアリー・ロバートは、心の中ではいろいろ想像するもののなかなか行動を起こさない想像型かな。でも想像型さんは、とても冷静に物事を見ていて、心の中で温めてきたことを実行する時のパワーはすごいです。ただ、あまりしゃべらず、行動しようと思っていることもあまり表に出さないので、周囲からすると突然のことでびっくりします(笑)
そんなシスター・メアリー・ロバートを演じるラフルアー宮澤エマちゃん。
シスター見習いの初々しい感じもよく出ていたと思います。最初は自分に自信がなく、人に逆らうこともせずにいたロバートちゃんはデロリスに出会って、人の言いなりになっている生き方に疑問を持ち始める。自分がどうしたいのかが分かった後のロバートちゃんは彼女なりに力強い一歩を踏み出す。そこに至るまでの一生懸命さがとてもいじらしくてかわいいです。

食いしん坊なシスター・メアリー・パトリックは、皆とうまくやっていくためにいろいろと気を使う感情型かな。感情型さんは自分がどう感じたかで行動を決めます。また「親切な人=良い人」と単純に考えてしまうため、騙されやすい部分があります。
シスター・メアリー・パトリックを演じる浦嶋りんこさんは、一番最初にデロリスの影響を受けるシスター。
シスターとしてのゆったりとしたセリフ回しと、ゴスペルを歌っている時のパワフルな歌声のギャップが素敵です。

その他のシスターの皆さんもできませんが、それぞれ個性的で面白かったです。ゴスペルの場面は、すんごいパワーです!見ているこちらも巻き込まれて一緒に体を揺らしてしまいます。

アンサンブルの皆さんも、それぞれ最低一言はセリフがあって見せ場が用意されてたようですね。しっかり見せ場で印象付けてくれました。
さけもとあきらさんの肉体が私好みで、思わず「うほほ♪」って眺めちゃいました(笑)

ほんっとに楽しい作品でした!
舞台挨拶は、ほとんど覚えてないですが、この作品の振り付けも担当されたカーティス役の大澄さんが「感謝の気持ちを体で表現します」と言って、手下たちを演じた藤岡くん、KENTAROさん、上口くんと共に肩立ちのポーズをとって「しゃちほこ!」と(笑)4人ともきれいにビシッと決めてました。

また観たいなぁ。再演しないかなぁ~!

(ここに書いた6つの性格タイプは、あくまでも作品の登場人物の特徴であって、演じている役者さんとは全く関係ありません)