ミュージカル「キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」名古屋公演

2022年10月18日

昨日、キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャンの名古屋公演を観てきました。
映画「Catch me, if you can」をミュージカル化した作品の日本版です。
私は映画は観ていないので、詳しいストーリーは知りませんでした。

なぜフランクが詐欺師になったのか、カールとフランクの奇妙な友情など分かりやすくまとめられ、歌もダンスも満載で、涙あり笑いありの観ていて飽きない楽しい作品でした♪
主人公の天才詐欺師フランクはまだ10代の少年(16~18歳)という事でロック調の曲で若さを、フランクを追うFBI捜査官カールが歌うのはジャズ調の曲で大人の雰囲気を、それぞれ表現しているようです。
そして、どの場面でもダンスがすごくおしゃれでかっこいい!!

アンサンブルの皆さんも大活躍で、早変わりも多かったんじゃないかと思います。
この後はネタバレもありますので、これから観る予定で知りたくない人は後で読んでください。

フランク・アバグネイルJr役の松岡充さんは、思春期の子にありがちな妙に大人びた部分とまだ幼さが残る部分の両方をうまく表現していたんじゃないかと思います。
家庭が崩壊し、両親が離婚したことに傷ついて家出したところから話が始まり、自分の人を欺く才能に気づいて詐欺を繰り返していくんですが、その目的は父親の借金を返して、家族を元に戻すことだったというのが分かってきた時点で切なくなっちゃいます。でも、ユーモアを交えたセリフやアドリブのおかげで湿っぽい感じはありません。
ブレンダに出会い、心から愛する人ができたフランクは嘘をつくことをやめたいと思い始めたり、いつの間にかフランクを追う捜査官のカールに理想の父親像を見出していたり・・・その過程も丁寧に描かれていたように思います。
パイロットの制服を作ってもらう場面で担当者にパイロットのID番号(だったかな?)を聞かれて、もちろんそんなものはないので適当な番号を応えるフランク、「758315(名古屋、最高~!)」と名古屋公演に合わせたアドリブ(*´艸`*)

FBI捜査官のカール・ハンラティ役の今井清隆さんは、とぼけているように見えて本当はデキるのか、デキそうに見えてどっか抜けているのか分からない捜査官(笑)
お茶目な今井さんとかっこいい今井さんの両方を楽しめます。
最初は詐欺師フランクを逮捕することだけに執念を燃やすんだけど、フランクがまだ子どもだと分かってからは、彼を更生させることまで考えるようになるんですよね。包容力のあるカールが素敵♪
そして、フランクとカールの軽妙な掛け合いが楽しいです。
アダムス・ファミリーに引き続き、今井さんが出演された作品を見て、ステキな歌声とお茶目さとかっこよさにすっかり今井さんのファンになっちゃいました(*^-^*)

実は私、初めはレミゼを観て知った福井晶一さん目当てでチケット買ったんですけど、体調不良でカール役を降板されてしまったんですよね。すごく残念でしたが、作品自体が面白そうだったので観劇予定は変更しませんでした。
福井さんのカール役も観たかったなぁ。一日も早く回復して舞台に復帰されますように・・・

カールの部下トリオ、しっかり者のブラントン役の鎌田誠樹さん、お笑い担当(?)コッド役のひのあらたさん、天然ボケの新人捜査官ダラー役の海宝直人くん。それぞれのカラーがはっきり出ているのに、不思議といいハーモニーを醸し出しているステキな3人組です。
フランクがパイロットになっている場面ではセクスィーなスッチーたちに交じって3人とも女装(?)して一緒に踊っちゃってます。他の場面でもさりげなくアンサンブルに交じって一緒に歌ったり踊っています。一応、一般人に紛れて捜査しているという設定なのかしら?

フランクのパパ、フランク・アバグネイルSr役の戸井勝海さん。
事業で失敗して借金だらけ、妻や息子のことを心から愛しているのに心が通じ合わず、「何とかなるさ」の楽観主義がすべて裏目に出てしまうダメダメなお父さんです。妻は愛想を尽かして、フランクSrの友人に乗り換えてしまう。最初のうち息子の前では精一杯いい父親でいようとするんだけど、自分が作った借金を返して家族を元に戻そうとフランクJrが彼なりの方法で何とかしよう頑張っている姿を見て、自分のふがいなさを思い知らされて、自棄になって酒におぼれていく・・・
出番はそれほど多くないけど、フランクが詐欺に手を染めた原因となる重要な役どころです。
妻に捨てられ、息子を愛していながら護ってやれない甲斐性なしの自分と、自分のために犯罪に手を染めている息子との間で揺れ動き、置いてけぼりにされたような寂しさ、虚しさが戸井さんの歌からすごく伝わってきます。

フランクのママ、ポーラ・アバグネイル役の彩吹真央さん。
元歌手でスタイル抜群の美人なんだけど、かなりまったりとした話し方で、しっかりしているようでどこかずれているママ。地に足がついてなくて、ふわふわとどこかへ飛んで行ってしまいそうな雰囲気を醸し出しています。
それでふわふわと夫の友人のところへ飛んで行ってしまったのか?と思うほど(笑)
一応設定としては、夫の友人にいろいろ相談にのってもらっているうちに、そういう仲になっちゃったんじゃないかと思いますけどね。
そして、ユミコさん(彩吹さん)は宝塚時代から観てきてますけど、相変わらず歌うまいですね~。耳に心地よい歌声です。

フランクが初めて心から愛した女性、ブレンダ・ストロング役、菊池美香さん。
フランクが16歳で家出してから約2年後、医者になりすまして病院で働いて(?)いた時に出会った新人ナース。
多分、年齢的にはフランクより年上のはずなんだけど、失敗ばかりでおどおどしている設定なので、とてもそうは見えない(笑)
ブレンダちゃん、すっごくかわいいです。護ってあげたくなる。
結婚式の日にフランクがブレンダに本当のことを告げて逃げた後、カールに居場所を教えるように説得されて「彼を待つ」と心を決める場面の歌は迫力満点。それまでの護ってあげたくなるような雰囲気とのギャップがいいです。
覚悟を決めた時、人は強くなりますよね。

ブレンダのパパ役の治田敦さんとブレンダのママ役の小野妃香里さんのコンビは出番が少ないけどかなり強烈な印象を残してくれます(笑)
あいさつに訪れたフランクを質問攻めにしたり、無茶ぶりをして困らせます。フランクの話を疑っているのか、信じているのかも謎。
最終的にフランクがブレンダを本当に愛しているという事が分かったところで結婚を許すんですよね。結局そこだけでよかったの!?みたいな(笑)

プリシンバルはこれくらいかな?
この作品で一番大変だったのは、アンサンブルの人たちだったんじゃないかと思うくらい、アンサンブル大活躍でした。

男性ダンサーズの中に紅一点混じって踊っていて、ダンスの場面はほぼ全部出ていたんじゃないかと思われる背の高い女性ダンサーがいて「すご~い!」と思って気になってたんですが、あのダンサーさんはブレンダママの小野妃香里さんだったという情報をいただきました。キレキレのダンスがとっても素敵だったんですよねぇ~(^^)

この作品は、最初の方で「ん?どういうこと?」って混乱した部分は少しあったけど、全体的な流れとしては分かりやすくまとめられていて、切ない内容をユーモアというスパイスで味付けされたとても楽しい作品に仕上がっていたと思います。
どんな作品にも言えることですが、特にこの作品は役者さんの個性でかなり印象が変わりそうなので、いろんな配役で観てみたいかも。