宝塚月組『ロミオとジュリエット』

フランスのミュージカル版『ロミオ&ジュリエット』の宝塚版、星組での初演から雪組を経て月組での再々演です。
私は初演も再演も観ていないので、今回の月組が初見になります。
とてもエネルギッシュな作品ですね。5組の中では一番若いトップ(たぶん。。。)を迎えた新生月組にはピッタリではないでしょうか。
今回は敵対するロミオとティボルトをトップの龍真咲さんと準トップの明日海りおさんが役替わりで演じています。
私も本日は午前と午後でそれぞれのバージョンを観てきました。
以前は1日に2回観ても平気だったのに、年齢的に1日2回はきついですね。お尻も痛いし(笑)
では、役替わりで感じた違いを書いていきたいと思います。やっぱり主役が変わると全体の全然雰囲気も違いますね!
◆午前の部:ロミオ=龍真咲さん、ティボルト=明日海りおさんバージョン
龍さんのロミオは優しくてまじめだけどやんちゃな男の子で、「大人ぶっているけど、まだまだ子ども」というイメージ。思春期特有のいろんなものを抱えている部分もありながらも健康的でピュアでかわいいです。
確かにこんな男の子がいたらを女の子たちはほっとかないでしょうねぇ(笑)
ジュリエットとの初めてのキスの場面、初めての恋にドキドキしながら緊張している風のためらいがちで不器用なキスにキュンとしてしまいました( ´艸`)
後半は親友の死と思わず逆上してティボルトを殺してしまった後はその純粋さゆえに深く傷つきつつも、ジュリエットという希望を胸に故郷を出る。
ジュリエットの死を伝えにきたベンヴォーリオの姿を見つけた時のロミオはとっても嬉しそうで、伝えにくい雰囲気だよねぇ。
ジュリエットの死を知った後のロミオは唯一の希望を失って茫然自失。正気を失ってしまった感じのまま死に向かっていく。
そうそう、龍さんは間の取り方も表現の一部として、うまく使いこなしていますよね。明日海さんはまだそこまで到達していないかな?という印象でした。
対する明日海さんのティボルトは内にかなり重い物を抱え込んでいて、自分の弱さを人に悟られたくなくて心に鎧をまとって周りを威嚇し続けている感じ。
それでいてジュリエットに対する思いは情熱的で、許されない事だと必死に抑え込もうとしているけど抑えきれていない。そのままの流れで勝手にジュリエットと結婚したロミオに嫉妬し、悲劇に向かっていく部分はすごく自然でいいと思います。
このバージョンではロミオとティボルトをそれぞれ正反対のイメージで役作りしたことで、お互いの色の違いがはっきり打ち出されて、なぜジュリエットがロミオに惹かれたかもわかりやすくなっていたと思います。
さらに、ロミオ、ベンヴォーリオ(星条海斗さん)、マーキューシオ(美弥るりかさん)の親友3人組の関係が、タイプは違うけどやんちゃなロミオとマーキューシオを、粗忽な部分もあるけど優しい兄貴分のベンヴォーリオが一生懸命2人の面倒を見てあげてる感じに見えました(笑)
◆午後の部:ロミオ=明日海りおさん、ティボルト=龍真咲さんバージョン
明日海さんのロミオはすごくまじめで、やんちゃすることはあるけどあくまでも仲間に付き合っているだけという感じ。龍さんのロミオほどテンションは高くなく、落ち着いていてどちらかというと気の優しい優等生なイメージ。
でも実はやることはしっかりやってそう。ジュリエットとの初めてのキスもなんか手慣れた感じだったし(笑)
マーキューシオが刺されて死んでしまい、逆上してティボルトを殺してしまった後のロミオの落ち込み様はすごいです。ジュリエットとの最後の夜を過ごしている時もどこか絶望したまま。
ジュリエットの死を伝えに来たベンヴォーリオを見つけた時も疲れ切った感じで、これまた追い打ちをかけるようで伝えにくそう。
ジュリエットの死を知ったロミオはさらにどん底まで突き落とされて「もう死ぬしかない」と思い詰めて死に向かっていく感じ。正気を失うところまではいっていないかな。
龍さんのティボルトは内にいろいろ抱え込んではいるけどそれをあまり表に出さないようにしているイメージで、明日海さんのティボルトのような重さは感じません。
ジュリエットへの思いも完全に抑え込んでいて、ロミオが勝手にジュリエットと結婚したと知った時、ついに抑えきれなくなっていろんな思いが一気に噴き出す感じ。それゆえこの後の悲劇の場面に一層緊張感が増します。
こちらのバージョンではロミオとティボルトにも共通する部分はあるんだよ的な2人の表現で家同士の闘争に巻き込まれた若者たちの悲劇に説得力が増します。
ちなみにこちらのバージョンでの親友3人組の関係はロミオとベンヴォーリオは対等で、マーキューシオはかわいい弟分といった感じかな。
どちらのバージョンも2人のバランスが絶妙で、とてもいいものを見せてもらったと思います。どちらがいいかなんて決められません!
さて、2人以外の出演者についても思い出せる範囲で少し書いてみます。
今回、龍さんと共にトップお披露目となったジュリエット役の愛希れいかさん。
とてもかわいらしいジュリエットではありますが、周りの人たちの個性に埋もれてしまった感じで残念ながらあまり印象に残りませんでした。歌も演技もダンスもちゃんとできる子だと思うので、もっと自信をもって自分が表現したいことを前面に押し出してきてほしいですね。
観てて目についたのは3人。ジュリエットの乳母役の美穂圭子さん、ベンヴォーリオ役の星条海斗さん、ベローナ公役の輝月ゆうまさんです。
専科の美穂さんは存在感は抜群だし、迫力満点の歌も素晴らしく、どこか憎めないキュートで頼りがいのある乳母という感じ。
星条海斗さんのベンヴォーリオは、おっちょこちょいなところもあるけど情に厚く包容力もありそう。ジュリエットの死をロミオに伝えに行く直前のソロも情感豊かに歌い上げ、涙を誘います。
そして、短い出番ながらも堂々とした存在感を見せるダンディーなベローナ公は誰?と思ったら、輝月ゆうまさんというかなり若手の子じゃないですか!最近は観劇数が減ったもんだから若手の子たちのことは全然分からなくて、すごく安定して落ち着いた演技だったのでびっくりしました。
他の人たちも負けず劣らず個性を発揮していて、いくつ目があっても足りないくらいでもう書ききれません
フィナーレは役替わりに関係なくあくまでもまさおくんがトップの扱いで明確になってます。
ところで劇団はみりおちゃんをアイドル路線で売っていくつもりなのかな?今回のフィナーレでもみりおちゃんの出る場面はアイドル風だし。まあ、確かにかわいいからいいけどね・・・(笑)
この作品は悲劇ではあるけど、若者の瑞々しい生命力を感じて観ている方もなんだか元気になれますね。
今回はディープなファンでなくても何回も通う人は多い様で、それもわかる気がします。まさみりコンビの人気だけではないと思います。私もお金と時間さえあれば私も通ってたかも(笑)

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