月組「ジプシー男爵/Phapsodic Moon」

2022年10月5日

24日には宝塚まで足をのばし月組公演を観てまいりました。

ホテルの枕が合わなかったせいかなかなか寝付けず寝不足状態で、観劇中もあくびばかりしてました。
4列(実際は3列目)だったから、銀橋からもちょっと視線を落とせば見える位置だったのでは・・・って思ったらちょっと申し訳ないやら恥ずかしいやら(´・ω・`;A) アセアセ

さて私のことは置いといて『ジプシー男爵』から行きましょうか。
(ネタバレありです)

オペレッタ『ジプシー男爵』をミュージカル仕立てにした今回の作品、やはり大人数での大合唱が多く、迫力満点です。プロローグのトップコンビによるデュエットダンスもジプシーたちのシーンのダンスも見ごたえ十分。
その代わり、ストーリーはツッコミどころ満載(笑)一応コメディです。
難しいことは考えずに素直におとぎ話として観たほうがいいかも。

ただ一つ残念だったのは、ジプシーたちと他の人たちも含めた大合唱になる場面、何を歌っているのかさっぱり分からなかったこと。で、なんとなくまとまりがなくて不快な音に感じてしまい、思わず顔をしかめてしまいました(^^;

霧矢大夢さんのシュテルク・バリンガイと蒼乃夕妃さんのジプシー娘ザッフィとの恋、龍真咲さんのジプシーの青年パリのシュテルクに対する心の変化、明日海りおさんのジュパン家の使用人オトカーと彩星りおんさんのジュパン家の末娘アルゼナとの恋を中心に話は進んでいきます。

トルコ支配下でハンガリーから亡命していた両親と死に別れた後はあちこち放浪していたシュテルクはハンガリーに帰国させられる。女王マリア・テレジアを前にしても自分のペースを崩すことなく「チョース!」なんて挨拶しちゃって周りを驚かせる。キリヤンはそんな自由奔放なシュテルクを茶目っ気たっぷりに楽しそうに演じてます。
歌が多いですけど、ほんとに安心して聞いていられますし、笑わせる場面とちょっと悲しい場面やまじめな場面とのメリハリをはっきり出し、描かれていない部分のシュテルクの人物像もしっかり感じさせてくれます。

ジプシー娘のザッフィ。
ツッコミどころ満載の役です。
実は王家の血を引くトルコ提督のお姫様という突拍子もない展開になり、その割にはシュテルクと離れるのを嫌がるザッフィに対する兵士たちの扱いが罪人のようなのが気になったり、そんな身分の高いお姫様が爵位も両親が残した財宝も要らないと宣言して平民として生きていくことを選んだシュテルクと結婚できるんだ・・・って思ったり(笑)
まあ役どころはともかく、歌声も美しく、キリヤンとのダンスの相性もぴったりなまりもちゃん。
プロローグでのデュエットダンスもすごくきれいですし、哀愁たっぷりにジプシーの歌を聞かせてくれます。
おおっぴらにはしないけれど、内に秘めた情熱的な思いを感じさせる大人っぽくもかわいらしくもあるザッフィになってます。

ジプシー仲間の中でただ一人シュテルクに反抗的な態度を見せる青年パリ。
両親をハンガリー人に殺されたという過去を持ち、ハンガリー人であるシュテルクを受け入れることが出来ない。
歌と踊りで勝負を挑むものの、やはりシュテルクを認めざるを得ず・・・でもそう簡単に心の傷は消せないし、嫌な過去を思い出させる相手を受け入れられるはずもなく走り去るパリに対して、パリの過去を知ったシュテルクは「正直な男だ」と言う。
他のジプシーたちが言う台詞のように傍から見たら「素直じゃない」かもしれない。でもパリは自分の心に嘘をついて相手に従うなんて出来ない正直な男なんですよね。
この作品の中で唯一、重い役どころを担うまさおくん。出番も台詞も少なめですが、その佇まいと背中からパリの悲しみや苛立ち、苦悩がしっかり伝わってきます。だから兵役の場面での彼の心の変化も納得がいく。
背中で語れるようになったらもう立派な男役さんですよ!まさおくん、いい役者に育ちましたねぇ。

財宝探しのためテメシュバールの大地主バリンガイ家の土地を勝手にあちこち掘り起こさせている豚飼い商人のジュパン。専科の汝鳥伶さんがこの悪賢いジュパンを愛嬌たっぷりに演じています。
ず~っとブタちゃんを抱いているんですよね。悪いやつなんだけど憎めない。ホント味があっていいですねぇ。
この作品の中でいいスパイスになってます。
鼻の頭をこすりながらアイデアを考えて、何か思いつくと「ブヒッ」というブタの鳴き声と共に背後に『!』マークが映し出されるのが漫画チックで笑える。これはアルゼナちゃんもやります。
ちなみにジュパン家の家は窓からドアから庭の彫刻(?)から全てがブタちゃんになっててかわいい♪
穴掘りをさせられている使用人たちのエプロンにもブタちゃんが付いてます。

そのジュパン家の使用人オトカーはちょっと頼りない感じの青年。ジュパン家の末娘アルゼナと恋仲なんだけど、絶対尻にしかれてそうだ(笑)
みりおちゃん、いつも一生懸命なんだけどヘタレなオトカーがなんか似合ってる。かわいい♪
こんなのが近くに1匹、じゃなかった1人いたら見てて飽きないかも。ペットにしたい(笑)
でも、兵士に志願する時とか、ジュパンにアルゼナと付き合っていることがばれてしまって意を決してジュパンに「アルゼナを守り抜くから、結婚を許して欲しい」と訴えるところとか、やる時はやるんだぞって見せるところがかっこよくもあり、またかわいくもあり( *´艸`)

そういえばオトカーは一番最初、オーケストラピットからつるはしを持って出てくるんですよね。でその後、続けてぞろぞろとアリのように使用人たちが出てくる。どんだけでかくて深い穴を掘っていたんだ?
っていうかその場面の前のオーケストラピットはすごい混雑してそう。大変だなぁ(笑)

亡命ハンガリー人を帰国させる政府委員のカルネロ伯爵を演じる越乃リュウさん。
結婚してから妻にはなかなか会う時間がなくて「妻に早く会いたい」が口癖。
越乃さんもまた実に楽しそうに、やる気があるのかないのか分からないようなカルネロ伯爵を演じてますよ(笑)
こちらも汝鳥さんに負けず劣らず、いい味出してます。

徴兵武官のホモナイ伯爵を演じる青樹泉さん。
まじめな軍人さんって感じがよく出てます。
女王の前でも自由奔放に振舞うシュテルクに対して、なんとか『気をつけ』の姿勢をさせようと奮闘してたりするのが笑えます。まじめゆえの面白さが出ていていいですねぇ♪

ジュパン家の使用人頭のイシュトバンを演じる星条海斗さん。
悪知恵が働くけど結局は墓穴を掘ってしまう、賢いんだかアホなんだか分からないイシュトバン。
この憎めないキャラクタ好きです(笑)

覚えてるのはこんな感じかな。

じゃあ、ショーのほうに移りましょうか。
ショーはダンスシーンは結構ハードで大変そうだけど、その分見ごたえ十分。
若手中心の元気のいい群舞、かっこいい男役の群舞、大人っぽく華やかな娘役の群舞など大人数で見せる場面が多いですね。
テンポもよく、最後まで飽きずに楽しめます。
ん~、これは2階席で見たかったかも。

衣装がねぇ、ちょっと「なんだこれ?」的なのもあるけど(^^;

そうそう、今回は花組時代から気になってた桐生園加さんがセンターで踊ってたりして活躍の場が多く、なんかうれしかったです。
そのかちゃんのキレのあるダンスが好きなので♪
それからみりおちゃんの黒っぽい役も好きなので、悪役の場面があってこれまたうれしいっす♪
なんかトート閣下みたいだったよ。

基本的に群舞が多く、展開も速いので誰がどこに出てたとかあまり覚えてないんですけど・・・

それにしても、キリヤンとまりもちゃんはダンスでも歌でも相性抜群ですねぇ。
このコンビは本当に見てて安心感があります。

そして中日公演の頃は決まってなかった2番手3番手も、どうやらまさおくんとみりおちゃんに決定したようですね。
今の月組は実力のある若手・中堅が揃っているので誰がなってもおかしくない状況でしたが、まあ予想通りな感じ。
絶大な人気を誇ったおさあさコンビが2人とも退団したから、再び人気を取れそうなコンビを押し上げてくるんだろうなってなんとなく思ってたの。
でも正直いうと今の段階ではこの2人、2番手・3番手としてはまだ物足りなさが残る。
「2番手さんが出てきた!」っていうインパクトが薄いというか・・・2人とも優しすぎるのかな?
舞台には「私が2番手だよ!文句ある!?」くらいの気持ちで出てきて欲しいな(笑)
とはいえ、まさおくんもみりおちゃんも大好きだから応援してます。がんばって!

ま、こんな感じで感想はおしまい。
多分、年内の観劇はこれが最後だと思う。次の観劇は来年の星組中日公演かな。

観劇感想

Posted by どな