ミュージカル好きな心理カウンセラーが書く観劇感想とその他もろもろ
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「グレート・ギャツビー」名古屋公演 観劇感想
今日は中日劇場へ「グレート・ギャツビー」を観に行ってきました。
オーケストラピットの部分も舞台として使っているので、舞台と客席がすんごく近かったです。
そしてオーケストラはギャツビー邸の2階に当たる部分の奥で演奏していて、あたかもギャツビーお抱えオーケストラのようでした。
オーケストラを舞台の奥に設置して、オーケストラピットを埋めて舞台にしてしまう使い方も珍しくて新鮮♪
私の席は8列でしたが実質5列目。あんな近い距離で舞台作品を観たのは初めてかもヾ(≧▽≦)ノ
舞台と客席がグッと近づいた分、オペラグラスがなくても役者さんたちの表情までよく見えて作品の世界に入り込みやすかったです。

今回、この作品は宝塚っぽい雰囲気だという噂を聞いていましたが、確かに宝塚っぽかったです。
実際、ヒロインのねねちゃんをはじめ脇を固める女性陣も元タカラジェンヌたちですしね。
特にフィナーレで井上ギャツビーが出てくる時なんか、完全にトップスター扱いで井上くんの背後に羽が見えましたよ。実際には付けてないけど(笑)
そして、このカンパニーは歌うまさんが揃っていて耳福ですね。
ジャズを中心とした楽曲も素敵です。

この作品の映画版は一度だけロバート・レットフォード主演の「華麗なるギャツビー」をテレビで観たことがあります。
イメージ的には映画版とはやはり違いますね。宝塚版ミュージカルを基にしているだけあって全体的に美しくまとめてあります。

それではまた、メインキャストを中心に一言ずつ書いてみようと思います。



ジェイ・ギャツビー役・井上芳雄さん。
影のあるギャツビーのような役もいいですねぇ!
ギャツビーが時折見せる寂しげな表情がとてもセクシーで素敵でした。
若い頃から不遇な扱いを受けてきて、かつての恋人デイジーと結ばれることだけを夢見て這い上がってきた男の孤独と哀しみがギャツビーの歌からひしひしと伝わってきます。

デイジー・ブキャナン役の夢咲ねねさん。
夫との気持ちのすれ違いに悩んでいる時にかつての恋人ギャツビーと再会したことで、揺らぐ気持ちが分かりやすく伝わってきました。
最後ギャツビーの葬儀の場面でで感情を押し殺して静かに花を投げ込む表情が印象的でした。
ギャツビーとの恋が過去の夢、夫や我が子との生活が現実とすれば、デイジーはやはり現実を選んだという事でしょうね。その当時の時代背景を考えれば、デイジーの選択は間違っていないと思います。

デイジーの夫トム・ブキャナン役の広瀬友祐さん。
スポーツマンらしい無骨さと、お金と身分に物を言せて横柄な態度をとるふてぶてしさがすごく良い!!
その実は、デイジーを心から愛していながらデイジーの心には別の人間がいることに気づいていて、その寂しさから愛人を作っている。素直になれない不器用な男という印象でした。
今回、広瀬くんの成長ぶりに驚きました。すばらしい(*^-^*)

デイジーの従兄でギャツビーの隣人のニック・キャラウェイ役の田代万里生さん。
作品の中でストーリーテナー的役割も担うニック。真面目だけど愛嬌のある役作りで時折笑いを誘います。
ジョーダンにゴルフを習う場面は、とってもキュートでした。
それでいて、適度な距離感でギャツビーとデイジーの恋を見守る包容力と複雑な思いも伝わってきます。

デイジーの親友でゴルフ選手のジョーダン・ベイカー役のAKANE LIVさん。
スポーツウーマンらしい溌剌としたクールビューティーといった雰囲気。なんだかよく分からない表現になっちゃいましたけど(笑)かっこよさの中にもセクシーさがあって男女どちらからも好かれるタイプの女性のイメージです。
ジョーダンのサバサバした性格にデイジーもどれだけ救われただろうと思いました。
関係ないですが、AKANEさんはどこか鳳蘭さんを彷彿させますね。雰囲気が似てるなぁって思いました。

トムの愛人マートル・ウィルソン役の蒼乃夕妃さん。
真面目で堅物な夫との関係は冷え込み、最初はお金目当てで近づいたであろうトムを愛するようになってしまったマートルの報われない恋の虚しさと哀しみとやるせなさが伝わってきます。
ただ、トムが愛しているのはあくまでも妻のデイジーだし、マートルとトムの関係はお互いに現実逃避に過ぎなかった気がするんですよね。
そう思うとマートルが哀れに見えてきちゃいました(^_^;)

マートルの夫ジョージ・ウィルソン役の畠中洋さん。
マートルを心から愛している生真面目で堅物のジョージ。マートルを失った後に事故の真相を知ろうと調べるうちに犯人への殺意が芽生え、ついにデイジーの罪をかぶったギャツビーを殺してしまうまでの演技が真に迫っていて素晴らしかったです。さすがですね。
トムにマートルをはねた車の持ち主はギャツビーだと教えられてジョージがギャツビー邸に乗り込む場面は客席からの登場だったのですが、本当に私の席から近いところで歌ってらしたので間近で迫真の演技を見ることができました!
ジョージは貧しいダウンタウンの住人で自動車整備工(?)をしているという設定なので、ジョージと仲間の皆さんは汚しを入れているのですが、畠中さんは特に顏やら腕やらに汚しがすごかった。本当に真っ黒。そこまで汚さなくてもと思うくらい(笑)
上流階級に憧れるマートルがジョージに嫌気がさすのも納得がいく汚し具合でした。

戦争から帰ったギャツビーを裏社会で育てたマフィアのボス・マイヤーを演じていた本間ひとしさん。
いや〜、なんとも渋くてかっこいいボスでした。マフィアのボスなんで悪い奴なんですけどね(笑)

デイジーの母エリザベス・フェイ役の渚あきさん。
娘を貧しい家の人間とは結婚させられないという上流階級のプライドと娘に苦労をさせたくないという母親としての気持ちからデイジーとギャツビーの恋に反対するけど、娘の気持ちも分からなくはないという複雑な思いが伝わってきました。

ギャツビーの父親ヘンリー・C・ギャッツ役のイ・ギドンさん。
ヘンリーはギャツビーの葬儀の場面に出てくるだけですが、息子を亡くした悲しみの中にもギャツビーにニックという心許せる友達がいたことを喜んでいるような雰囲気を静かなたたずまいの中に醸し出していました。
セリフは少ないんですけど、しぐさや表情からいろんなことを想像させてくる演技はさすがですね。
このお父さんの存在でこの悲劇の中にも救いを見いだせるような気がします。

マートルの妹キャサリン役の音花ゆりさん。
前半でニックに言い寄っていくところは、かわいらしいです。毎回フラれるんだけど。
一見チャラチャラしているように見えて、実はしっかり姉であるマートルの世話を焼いているキャサリン。
マートルが事故で死んでしまった後まで、マートルの浮気を否定しジョージを慰めようとする場面は泣けますね・・・

今回は舞台が近くてアンサンブルの方も判別できたので、印象に残っている部分も書いてみます。

ギャツビーの執事?秘書?(実はマイヤーの手下)の役をしていた朝隈濯朗さん。
これまた本間さんとは違う渋さがあって素敵でしたよ。
クールに振る舞っている様に見えて、裏社会に染まり切らないギャツビーに苛立ちを隠せないところに人間味が出てていいですね。

ギャツビーとデイジーが出会ったばかりの頃の回想場面で、デイジーの妹(碓井菜央さんかな?)とその恋人役で荒田至宝くんのカップルがすごくかわいらしかったです(*^-^*)
荒田くんは、他の場面でも井上ギャツビーの近くにいることが多くて、良いポジションで結構視界に入ってきました。ダンスもうまいですし、今後も楽しみです。

ギャツビーの運転手(こちらも実はマイヤーの手下)の役をしていた榎本成志くん。
実はFBのミュージカルファンのグループ内で宝塚の男役さんみたいな人がいると話題になってたんです。
うん、確かにメイクの仕方がタカラヅカっぽかった(笑)
お芝居もダンスもちゃんとできる人だと思いますが、そのメイクが気になってそっちばかり見てしまいました(笑)

後はバーの客の役などで色っぽいマダムの雰囲気を醸し出してた樺島麻美さんとか、良い歌声を聞かせダンスを見せてくれた池谷祐子さんとか、他にもいろいろあったんですけど忘れちゃいました・・・すいません(^_^;)

歌にしてもダンスにしてもお芝居にしてもレベルの高いカンパニーだと思います。
全体的に哀愁漂う雰囲気の作品なんですけど、クスッと笑える部分がありますし、悲劇ではあるんですが後味は意外と重苦しくないのがタカラヅカっぽいと言われるゆえんかなと。
観るかどうか迷っていたんですけど、観に行ってよかったです(*⌒―⌒*)
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